2019年12月8日日曜日

12月短答を終えた後の過ごし方と論文または5月短答への切り替え

この記事は12月短答を終え自己採点してみて、自分は合格しているだろうかどうなのかと結果が気になっている頃に読むのを想定しています。

まず最初に、答練や模試でそれなりの成績を取っていたのであれば、当日不調だったとしてもたぶん大丈夫です。それなりの成績だったということは安全マージンがあるので、多少調子が悪かったり運に頼らなくても合格ラインには乗ってきます。
問題が難しかったとか、意表を突かれたという場合も、他の人も同様に準備できてないだろうから心配いらないです。足切りについても最近は救済措置が認められています。

私の場合は2019年度目標で12月短答は直対答練や公開模試ではまあまあ成績がよかったのですが、本番が絶不調であてずっぽうが一つも当たらず自己採点してみて絶望的な気持ちでした。結果的に財務のマークミスでとどめを刺され5月短答で再挑戦することになったのですが、マークミスさえなければ合格していました。

答練や模試は調子よかったけど本番でパフォーマンスが発揮できなかった方や自己採点がボーダー付近で結果が気になり論文の勉強をすべきかどうか迷っている方などに共感いただけるのではないかと思います。
ぶっちぎりで合格点に届いたので、余裕で論文に向けて学習を始められる方にはちょっとだけ役に立つかもしれません。

なにをすべきか(ダイジェスト)

12月短答をそこそこ戦えたのであれば、結果にかかわらず論文の勉強をするべきだと思います。そういう方はすでに短答を突破できる実力を備えているので、万が一ダメでも今の実力で5月短答に合格できる可能性が高いです。そういう方は5月に向けて短答の勉強はそんなに必要ありません。

8月の論文を目指す受験生は12月と5月のどちらかの短答試験をパスすることになります。手ごわいライバルは12月にすでに試験をパスしてライバルがいなくなってるから5月の方が通過できる可能性が高いとも言えます。
58は12月通過組よりも時間的に不利というのは間違いないかと思いますが、根本的な理解が求められる論文の勉強の方が、暗記に頼らざるを得ない短答の勉強よりも向いているという人も多いと思うので、12月がうまくいかなかったからといってすぐに8月論文に悲観的になる必要はないと思います。
そして、もし5月短答になったとしても、租税や選択科目のレクチャーも短答答練も論文答練も公開模試もできるだけスケジュール通りに受けたほうがいいです。
12月にそれなりに戦えた人は、ひとまず3月までは短答を忘れていいと思います。3月に直対答練が始まるので、その仕上がりによって調整していっても間に合うと思います。

12月が終わってから8月までのざっくりスケジュールはこんな感じです。
  • 12月
    • 12月上旬に短答本試験
    • ちょっと休んだら租税、選択のレクチャーを開始
    • 年末年始に論文の勉強法を確立して1月から始まる論文基礎答練に備える
  • 1月、2月
    • 租税、選択のレクチャーを終わらせる
    • 租税ステップはじまる
    • 論文基礎答練(2週間おき)
    • 1月中旬に12月短答の合格発表
  • 3月
    • 短答直対答練はじまる
    • 論文応用答練はじまる
    • 租税と選択の論文基礎答練がはじまる
    • 3月末に論文公開模試①がある
  • 4月
    • 租税と選択の論文応用答練が始まる
    • 論文応用答練
    • 4月下旬に短答公開模試がある
  • 5月
    • 租税と選択の答練がなくなる
    • 答練の量が減る
    • 論文直対答練がはじまる(租税・選択を除く)
    • 5月下旬に短答本試験
  • 6月
    • 論文総まとめを受ける
    • 58は租税と選択の遅れをここで取り戻す
    • 租税と選択も論文直対答練がはじまる
    • 6月中旬に5月短答の合格発表
  • 7月
    • 7月上旬に各校で論文公開模試②がある
    • 公開模試が終わると答練がほぼなくなる
  • 8月
    • 8月上旬にCPA模試の後期日程がある
    • 答練は完全になくなる
    • 8月下旬に論文本試験

12月短答を終わって

私の12月短答は自己採点では63.2%でした。予備校が予想したボーダーは63~64%でした。
直対答練や公開模試でもだいたい偏差値60を超えて上位20%にはいつも入っていたし、直前期に過去問を解けば80%を超えてきたので合格は問題ないだろうと受験前は確信していたのですが、試験当日は絶不調だったうえにあてずっぽうでマークしたところがことごとく外れるという運にも見放された感じで予想ボーダーぎりぎりの点数でした。
合格なのかダメなのかわからないままモヤモヤした状態で年末と年越しを迎えることになりました。

とはいえ、気持ちを切り替えて次に進まなければいけません。12月に合格していても5月になったとしても最終目標は8月の論文です。

本番が調子悪くて12月がダメだとしても、それまでの答練や模試では合格できるだけの実力はあると示されていたわけなので、これを信じることにしました。何事にも100%というのはありません。この成績なら80%合格できるという人でも、20%はダメなわけです。
今回はたまたまその20%に当たったのであって、自分には短答突破できる実力はあると言い聞かせて、12月はダメでも次の試験で本番が普通の調子でそれなりに運があれば5月には突破できるだろうと考えることにしました。80%の確率で合格できるなら、12月と5月で2回挑戦すれば96%で合格です。もうほとんど合格じゃないですか。
また、予備校の先生からも実力はあるんだからもう短答の勉強しなくてもよいと言われたのも心強かったです。

12月短答の合格発表までの過ごし方(理論対策)

短答終わってから1週間だけ勉強を休みましたが、次の週から勉強再開しました。まずは租税法の映像レクチャーを受け始めました。レクチャーを進めながら遅れないよう問題集も解いていきます。私の場合は12月ダメだった場合は選択科目を変えようと思っていたので、選択科目のレクチャーはほとんど受けませんでしたが、そうじゃない人は選択科目のレクチャーも受けることになると思います。
これに加えて企業、監査、財務の理論対策を進めました。年末年始になると学校が閉まり、レクチャーが受けられなくなるため租税の学習を進められなくなります。ここを利用して徹底的に企業、監査、財務の理論対策をやりました。

マルバツが判定できればよい短答の理論に対して論文の理論対策は論点について言い回しも含めて正確に書けることが求められるので勉強法と全く変わります。勉強法がわからず最初は戸惑い時間もかかりました。レクチャーがなくなる年末年始は比較的時間が取れます。ここで理論対策の勉強に手を付けたおかげで、勉強法が確立していって年明けくらいには少しずつ効率も上がっていきました。
ちなみに私の論文理論の勉強法は企業と財務は問題集を、監査はポケコンと問題集をとにかくノートに写しまくりました。私はこれを写経と呼んでました。楽しくない作業ですし、すごい時間がかかりました。
時間がかかることに焦りを感じるかもしれませんが、そういうときはその時間は自分にとって必要な時間なんだと割り切ってやるようにしてました。
無策に効率的な方法を探すよりも、地道に時間をかけて取り組む方が近道な場合もあります。
ちなみに論文期に入ったらテキストはほとんど使わなくなりました。

1月に入るとすぐに租税と選択を除いた各科目で基礎答練が始まります。基礎答練は範囲指定があるので、時間がかかるけど年末年始を使えば理論3科目分、少なくとも最初の基礎答練の範囲のところまでは写経を終えることができると思います。
各科目基礎答練は2週間ごとに行われるので、次の範囲をまた2週間かけて写経していきました。やっているうちに慣れてくるから早くなるし、全部を写経するのではなく要点だけ箇条書きにするなど、効率も上がっていきました。

そして合格発表

基礎答練をいくつかこなした頃に短答合格発表がありました。
合格ボーダーは63%。自己採点では63.2%でしたが、自分の番号はありませんでした。
あとで資料請求してわかったのですが、財務会計で致命的なマークミスがあったため、マイナス8点で私の得点は61.8%でした。絶不調で運にも見放されて、最後はマークミスでとどめを刺されました。
でも、これでかえってすっきりしました。絶不調で運に頼らなくてもマークミスさえしなければ合格できるということが分かったのですから。自分には短答合格できる実力があると思いこむことにして、5月短答生だけど論文生になったつもりで勉強方針を変えずに論文メインでの勉強を続けていきました。論文の答練はすべての答練をほとんどスケジュール通りに受けました。そして短答の勉強は5月までほとんどやりませんでした。
これは結果的に大正解でした。8月論文を見据えて勉強していたので5月は受かって当然という気持ちになり、5月短答は余裕を持って迎えることができたと思います。

2月から4月までの過ごし方

合格発表が過ぎても基礎答練は続きます。結果が出てもスタイルは変えずに2月は引き続き基礎答練対策の写経です。私はこの1月2月の基礎答練対策がとても重要だと考えています。
なぜなら3月は答練漬けになり、インプットの時間が取れなくなるからです。3月は5月短答の直対答練が始まりますが、並行して論文応用答練と租税と選択科目の基礎答練も始まり極めつけは3月末の論文公開模試があるので本当に答練漬けになります。
手抜きのポイントは応用答練です。応用答練は基礎答練ですでにやった範囲がもう一回まわってくるので1月2月の基礎答練のときにしっかり対策しておけば3月応用答練の負担を減らせます。それと短答直対答練対策も手を抜いてます。私は3月の短答直対答練についてはほとんど対策やっていません。前日に実力養成答練や肢別をチェックするくらいでした。
3月の担当直対答練で平均的に上位10%~20%くらいとれていたので、ひとまず安心して論文の勉強を続けることができました。短答合格の可能性を上げるためにさらに上位を目指すことはあまり効率的に思えなかったので取り組みませんでした。5月短答上位通過よりも8月論文をギリギリ通過する方が価値があると常に思うようにしてました。12月ダメだったトラウマから5月をより完璧にしたいという気持ちになりそうなところをぐっとこらえて論文を進めました。

3月の論文公開模試については、基礎答練対策をしっかりやって、応用答練も進めていたので、まあまあの点数が取れました。ギリギリ換算得点52を超えたくらいです。

4月の応用答練が終わったくらいに管理会計の理論対策テキストが配布されるので、これの写経も4月に入ってから始めました。短答公開模試の前です。この対策は短答に向けての理論対策にも効果を発揮してくれました。
正直なところ、管理の理論対策テキストも1月2月の基礎答練前に配ってほしかったというのが本音です。4月に配られても直対答練でしか使いようがありません。12月短答後に配ってもらえれば会計学Ⅰの基礎答練から活用できるので理論対策を十分に行うことができます。

5月(短答直前期)の過ごし方

5月短答は5月下旬に行われるので5月に入っても試験までほぼ1か月あります。12月短答の経験から短答直前期に何をやるか、どれくらい時間がかかるか知っていたので、本格的な短答対策は5月から始めました。厳密にいえば4月下旬の短答公開模試が終わってからです。
58の理想的な戦い方は、ギリギリで5月短答をパスして、8月論文に向けての対策をしっかりやることだと思います。
論文対策の準備や答練は短答にも生きてる実感があり、短答直対答練も順調だったから短答対策は5月に入るまで特別なことはしなくても大丈夫だと判断しました。
短答は広く浅く知識を求められるため忘れる可能性が高くなります。忘れては覚えてというのを繰り返すわけですが、それを長期間にわたって行うのは非効率だと考えました。短答に特化した学習に1か月以上確保しても時間が余ると逆算しての結論です。

5月短答に向けてやった特別なことといえばこんなものです。
  • 租税と選択科目に手を付けない
  • 肢別や実力養成答練を回して短答の出題形式に慣れる
  • ステップ答練の復習で計算を解きまくる
  • 分配可能額やセグメント情報などの短答特有の計算論点の詰め込み
  • 短答の過去問を解く
  • でも論文答練は可能な限り受ける
予備校では5月にも論文答練(直対答練)が行われますが、短答生に配慮されて租税と選択科目の答練は短答明けまで行われなくなります。短答科目の企業、監査、会計学ⅠⅡのみが行われます。5月は短答に特化して勉強していましたが、これらの論文答練もほぼスケジュールどおりに受けました。
計算は、短答対策も論文対策もやることは大きく変わらないのでほとんど準備せずに論文答練を受けてました。論文答練の問題を解くことは短答にも生きてきます。監査や企業の理論科目も受けました。5月に短答にかかりきりになると論文答練の対策は不十分になりがちでしたが、対策していなくてもとりあえず受けてなんか書いて、解答解説はしっかり見るようにしました。

5月短答を迎える

そして5月短答を迎えました。
自己採点で67.8%。絶対合格ラインの70%には届かなかったけど、予備校発表の合格ラインは上回っていたので、気持ちは論文に切り替えました。
手ごたえは12月短答に引き続き今ひとつな感じで管理会計は終わった時点では足切りしたかもといった感触です。ですが12月と違ったのは、運が助けてくれたことと、マークミスがないか徹底的にチェックしたことです。
5月は運で何点か底上げされていましたが、運で拾った点数がなくても合格点に達していました。この時の最終合格ラインは62%でしたが、運で底上げされたマージンによって安心して合格発表を迎えることができました。

6月以降の過ごし方

あとは結果を待たずに完全に論文にシフトです。
5月は租税と選択科目をやっていなかったので、6月中にキャッチアップさせて、7月以降はほかの科目と同じレベルに持っていけるのが理想です。

短答終わってすぐに論文総まとめがあるのでまずこれを受けます。短答に全振りしてまったく論文対策していなかった人でも短期で論文と戦う方法のヒントがここで得られるので、基礎答練や租税や選択のレクチャーが終わっていなくても総まとめを真っ先に受けた方がいいです。
あと、6月からは論文直対答練が本格的に始まります。基礎答練と応用答練をスケジュールどおりにこなしていたのですんなり入っていけましたが、12月短答生や過年度生は5月短答生が短答の勉強している間も論文の勉強していたので、明らかに差をつけられていました。5月短答生が直対答練でよい成績を上げるのはなかなか難しいです。
租税法は6月以降にステップ答練と論文答練が集中的に始まるので答練受けながら底上げしていくことができました。

7月に入ると各校で公開模試が行われます。私は自校の公開模試のほかに2つ受けました。
CPAの公開模試は2回行われます。どちらも同じ問題なのでどちらか一方を受けますが、2回目は8月上旬になって行われるのでここに参加するのをお勧めしたいです。7月中旬以降は答練が激減して8月になるとまったくなくなります。私の場合はなにか目標があるとそこに向けて勉強するというスタイルだったので、8月上旬に行われるCPA模試の後期日程は勉強のペースを維持するのにちょうどよかったです。
また、公開模試を受けるメリットは、3日間の試験の流れを体感できることにあると思います。いつ、何の科目の対策をするのかとか、前日に勉強する教材とかを確認することができました。3校分受けたことで直前期に3回も確認できたのはありがたいです。
7月8月はアウトプットの練習にはなりますが、苦手分野を作らないように成績の平準化をしていました。結果的に6月中にほかの科目と同様のレベルに持っていくことができなかった租税と統計学の比重が高かったです。

最後に58について思うこと

結果論かもしれませんが、私の場合は58でなければ論文合格は難しかったかもしれないなと感じました。
5月にもう一度願書を提出することができたので、選択科目を経営学から統計学に変更することができ、統計選択の人たちと知り合えて多くの支援をもらうことができました。
メンタル面では12月に合格していたら、論文の学習が遅れている5月生が後から入ってきて平均点下がるから12月組は余裕だろうという慢心が生まれたり、かと思えば直前期になって5月生の追い上げに焦りが生まれて精神的に不安定になったりしていたかもしれません。
5月にまわったことで不利な状況にあることを常に意識できて、12月通過組や過年度生を追う立ち位置で最後まで攻めの姿勢で勉強を続けることができました。

繰り返しになりますが、ボーダーぎりぎりでモヤモヤしている方は気持ちを切り替えて論文の勉強を始めた方がよいです。答練の成績がよかった人はたぶん受かってます。
万が一、58になったとしても悲観せずに勢いに乗ってぜひとも8月突破してください。

2021年実務補習規定の改訂

2021年7月に実務補習の規定が改訂されたのでポイントの紹介です。 主な変更点は講義や単位の取り方の変更なので、課題研究や考査への影響はなさそうです。 2021年入所から適用されるので、 2020年期までに入所している人には適用されません 。 ライブ講義・eラーニングの区別がなく...