2020年8月15日土曜日

補習所の講義単位の取得について

公認会計士試験に合格したら、公認会計士登録の要件である実務補習所に通い必要数の単位を取ることになりますが、取得しなければいけない単位には以下の種類があります。

  • 講義を受講する(270単位以上)
  • 考査(テスト)を受けて一定以上の点数を取る(60単位以上)
  • 課題研究(論文)を提出して一定以上の点数を取る(36単位以上)

1つめの講義単位を取り終わったので、講義単位の取得について総括します。(考査と課題研究の単位については触れません)

補習所の講義について

補習所の講義には公認会計士会館などに集合してみんなで受けるライブ講義と各自のPCやスマホなどで受けられるeラーニングがあります。
ライブ講義には座学による講義と班ごとにグループでテーマについて話し合って発表したりするディスカッション、ゼミナールがあります。
このほかに今年は中止になってしまいましたが、宿泊研修や工場見学などもあって、これもライブ講義の単位になります。

講義で取得しなければいけない単位

(註:必修単位数などは毎年変わる可能性があるので、必ず自分で最新の情報を確認してください)
講義単位の取得条件はいくつかあってちょっと複雑です。
補習所の講義は1年目のJ1から3年目のJ3まででそれぞれの学年の講義が用意されていて、短縮生でなければ当該学年になって受講することになります。
  • J1で180単位以上取得する
  • J2で40単位以上取得する
  • J3で20単位以上取得する
  • ぜんぶで270単位以上取得する
  • J2でライブ講義の単位を12単位以上取得する
  • J3でライブ講義の単位を6単位以上取得する
  • ディスカッションまたはゼミナールで15単位以上取得する
  • ディスカッションまたはゼミナールの少なくとも3単位分はJ2またはJ3で取得する
  • 必修科目を14コマ受ける
ポイントは、J1,J2,J3の必修単位を取得しても240単位にしかならないため、ぜんぶで270単位に届かせるためには30単位を余計に取得しなければいけない点にあります。

講義数の分析

効率よく必要な単位を取得していくために、具体的にどの種類の単位がいくつ用意されているのかを分析します。

学年ごとの講義数と単位数

学年ごとの講義数と単位数は次の通りです。
これを元に、各学年と全体で取得しなければいけない単位数と取得率をまとめたものがこちらです。
J2は開講数に対する要取得単位にけっこう余裕がみられます。

ディスカッション、ゼミナールの単位数

J1に単位が集中してますが、要取得の15単位の2倍の30単位分の講義が用意されています。

J3の2コマ6単位のうち、1コマ3単位は必修科目の単位になります。

学年ごとの必修科目


必修科目もJ1に集中しています。
J3の5単位には必修のゼミの1科目3単位と1科目2単位のライブ講義が含まれています。

単位取得のポイント

以上を踏まえて、どうやって効率よく単位を取得していくかについて検討していきたいと思います。

各学年の単位と合計270単位の取得について

時間が取れるJ1のうちに単位をたくさん取っておくことを推奨されていますが、J2は取得可能単位数(116単位)に対して要取得単位数(40単位)が少ないので、J1は180単位超えるくらいを取っておいて、J2の単位を取るという考えもあると思います。

J2は後期に法人税法関連のライブ講義が9コマあるので、全部出席すると27単位付いてきます。他にも国際税制や税効果などの税金関連の講義が用意されているので、前期はあまりとらなくても達成できると思います。(註:2020年期は法人税の講義は前期になりました。年によってスケジュールが違うようなので最新のスケジュールをご確認ください)

J3の要取得単位である20単位はすぐに取れます。必修科目を取ると5単位取れるから15単位、5コマ分を取れば足ります。

ライブ単位の取得について

J2で12単位、J3で6単位のライブ単位の取得が要求されていますが、これはそんなに神経質にならなくてもよいかと思います。

J2だけ気を付ける必要があります。J2の必修単位の40単位をeラーニングだけで取れてしまうので、ライブで4コマ分受けることを忘れないようにしましょう。たぶんJ2は税務考査対策で法人税関連のライブ講義を受けると思うので、これを受ければ27単位は取れます。

J3の6単位については、必修のゼミとライブ講義だけで5単位とれるし、eラーニングを全部受けて13単位を追加しても20単位には届かないからライブに出なければいけないので勝手にライブの6単位が取れてると思います。

ディスカッション、ゼミナールの単位について

合計で15単位(5コマ)受けることになりますが、J3に必修のゼミがあるので、実質4コマ12単位とれば足ります。

J1で4コマ取ってもいいし、J1に1コマだけ取ってJ2で2コマJ3で必修ともう1コマとって挽回することも可能です。

J2のディスカッション、ゼミナールを受けようとする場合は注意が必要です。こちらは事前予約制だったのですが、1月に開講するため12月中に予約を打ち切ってしまうので忘れないようにしましょう。

あと、ディスカッション、ゼミナールの3単位分はJ2またはJ3で取得しなければいけないという条件がありますが、こちらはJ3の必修ゼミを取れば勝手に取れるので気にしなくてもいいです。

今年(2019年合格生年度)はコロナの影響でディスカッション、ゼミが中止になっているので心配している人も多いかと思いますが、現在1コマだけでも取っていればJ2,J3のディスカッション、ゼミで挽回することが可能です。それ以前にJ1で中止になったディスカッション、ゼミは短縮生向けに縮小開催された点からも、来年以降に受けられるようになると思います。

J3の必修のゼミのうれしい効果

J3の必修のゼミがかなり汎用性高いです。必修なので必ず受けなければいけないのですが、これを1つ受けるだけで次のような効果が得られます。
  • 14科目ある必修単位が1つ取れる
  • 15単位取らなければいけないディスカッション、ゼミの単位に算入できる
  • J2またはJ3で取得するディスカッション、ゼミの3単位はこれを取ればクリアできる
  • J3でとらなければいけない20単位に算入される
  • J3で取得しなければならない6単位分のライブ単位に算入できる
J3の最後に受けるゼミなのでJ2までの単位計算の参考にするとよいかもしれません。

まとめ

まとめると、以下の点に気を付けていれば補習所の講義単位は取れると思います。
  • 必修の14科目を忘れずに取る
  • 各学年で必要な単位数は計算してしっかり取っていく
  • 各学年の必要単位だけで足りない30単位はJ2で取るのがおすすめ
  • J2はライブの必修単位があるのでeラーニングばかりやらない
  • J2は後期に税務関連の講義が集中しているので前期にそれほど張り切って取らなくても大丈夫
  • J3は普通に受けていれば大丈夫
  • ディスカッション、ゼミはJ3の必修の1コマを除いた4コマ分をJ2までに取っておけば安心
あと、いろいろ書きましたが、純粋に補習所の講義はおもしろいものが多いので必要な単位数を確保しつつ、興味のあるものは片っ端から受けるのもいいですよね。

追記

今年(2019年合格生度)の講義をベースに総括しましたが、今年はコロナの影響でカリキュラムがイレギュラーだったし、来年以降はライブ講義やディスカッション、宿泊研修の在り方について方針が変わるかもしれません。
毎年カリキュラムは見直しされているので、今後も使える情報になるかは不明ですが、ご参考になればと思います。
カリキュラムや単位数については、2020年4月くらいに公表された東京補習所の講義科目一覧から計算しています。
その後に追加された講義や地域別に異なる科目は反映されていないことについてもご了承ください。

2020年8月10日月曜日

修了考査の学習計画(短縮・8月お盆時点)

お盆なので 修了考査の学習計画を本格的に立てることにしました。

現時点の計画なので、随時修正していくと思います。

2020年の修了考査がダメになった場合はそっと消すかもしれません(汗)

現状の整理

現在8月のお盆前です。予備校の修了考査コースは6月くらいに申し込み済みですが、7月は考査と課題研究のラッシュがあったので、まったくと言っていいほど予備校のカリキュラムには手を付けていません。

自分は3→1年短縮なのですが、2020年コロナの影響で前期の考査は中止になって7月にずれ込み、後期の分と併せて7月は考査地獄でした。それもなんとか乗り切って、8月時点で考査も課題研究もぜんぶ終わって結果待ちの状態です。

講義の単位も取り終わりました。コロナの影響でほとんどの講義がeラーニングに振り替えられたけど、必修科目も各学年で必要な単位数も取り終わりました。

課題研究については今後致命的なミスがなければ再提出は免れることができそうです。

考査も監査総合についてはなんとか及第点かなといった感触です。税務考査についてはJ2の税務考査②の感触がイマイチだったので、追試は不可避だろうと思っています。

修了考査までのスケジュール

修了考査までのざっくりとしたスケジュール感です。
  • 8月23日(日)~9月5日(土) 監査総合の追試
  • 9月6日(日) 税務考査の追試
  • 9月6日(日) 予備校の答練がはじまる(税務から)
  • 9月中旬 ビデオでも答練が受けられるようになる
  • 10月9日(金) 願書DL開始
  • 10月12日(月) 願書受付開始
  • 10月29日(木) 願書締切
  • 11月1日(日) 予備校の答練の最終回
  • 11月中旬 ビデオやWebでも答練が終わる
  • 12月12日(土) 修了考査1日目(会計・監査)
  • 12月13日(日) 修了考査2日目(税務・経営・職業倫理)
  • 2021年4月2日(金) 合格発表
9月中旬から予備校の答練が始まるようです。タイムリーに受けるのであれば9月上旬までにカリキュラムを終わらせないといけないようです。

進め方

今後、軌道修正するかもだけど、とりあえずの進め方を考えました。

修了考査は会計・監査・税務・経営(IT含む)・職業倫理の5科目で構成されています。
テキストなどを軽くみてみた感じだと、会計と監査について公認会計士試験で勉強した内容とそれほど大きく変わる感じはなかったので、答練ベースすすめることにしようと思いました。講義は答練を受けてイマイチだった部分を拾ってみていこうと思います。
ただし、IFRSについては会計士試験でやらない論点なのでがっつりやる必要があると思っています。

自分の場合、5-8に甘んじて租税法は論点を絞って勉強を進めていたので税務はやり直すつもりで最初から講義を聞こうと思っています。9月6日に税務考査の追試があるので、それまでにレクチャーは終わらせたいと思っています。

経営もレクチャー受ける予定です。自分は統計学選択だったので、やらないとまずいと思っています。職業倫理も同様です。

まとめ

そんなわけで、とりあえず8月は9月6日の税務考査の追試と9月中旬から始まる予備校の答練に向けて税務のレクチャーを受けながら経営やIFRSなどの新しい論点も少しずつ進めることにします。
答練を受けたり、講義の進捗状況をみて、会計や監査のレクチャーも受けるのかとか、経営や職業倫理のペースをどうするかといったような調整をしていきたいと思います。
10月、11月は答練ですが、これが終わるともう本番が見えてきます。残り3か月。あまりゆっくりしていられないようです。

2021年実務補習規定の改訂

2021年7月に実務補習の規定が改訂されたのでポイントの紹介です。 主な変更点は講義や単位の取り方の変更なので、課題研究や考査への影響はなさそうです。 2021年入所から適用されるので、 2020年期までに入所している人には適用されません 。 ライブ講義・eラーニングの区別がなく...