2021年11月7日日曜日

2021年実務補習規定の改訂

2021年7月に実務補習の規定が改訂されたのでポイントの紹介です。

主な変更点は講義や単位の取り方の変更なので、課題研究や考査への影響はなさそうです。

2021年入所から適用されるので、2020年期までに入所している人には適用されません

ライブ講義・eラーニングの区別がなくなる

従前では講義にライブ講義とeラーニングの2種類がありましたが、今後はこの区別がなくなるようです。
J2で12単位、J3で6単位のライブ講義の単位を取らなければいけないというルールがあったのですが、これもなくなりました

背景としては、アフターコロナで在宅勤務が増えてきたため、平日夕方にライブ講義を受けに補習所に行くことが現実的に難しくなったというのがありそうです。

ディスカッション・ゼミナールで取得する単位が増えた

補習所の在籍中にディスカッション・ゼミナールの単位を15単位取らなければいけなかったのですが、これが30単位に増えています。
5コマとればよかったのが倍の10コマに増えました。
開講数もほぼ倍増してます。

こちらの背景もよくわかりませんが、ライブ講義とeラーニングの区別がなくなり、圧倒的にeラーニングが増えたことに対する手当なのかなと。

J2以降に7コマしか取れないのでJ1で最低3コマはとらないとJ2以降に課金しないといけなくなります。J3に必修のゼミがあることを前提にするとJ1で7~8コマくらい取っておくのがよさそうです。









2021年4月22日木曜日

修了考査終わってみて

合格発表が出たので修了考査を受けてみた感想を書き残しておきたいと思います。

スケジュール的なもの

まずは修了考査までの一般的なスケジュール。

  • X0年10月 予備校の修了考査コースが開講される
  • X0年11月 論文合格発表
  • X0年12月 補習所の前期日程がはじまる(J1入所式とかもこのへん)
  • X1年4月 補習所の前期日程が終了(J3は実質ここで講義がなくなる)
  • X1年6月7月 J1,J2の後期日程の考査がここら辺に集中。税務考査も。
  • X1年9月 考査追試や課題研究の再提出がここらへんにある。予備校の答練がはじまる。
  • X1年10月 修了考査願書受付開始。答練が本格化
  • X1年11月 予備校の答練が終わる。11月下旬に受験票が届く。
  • X1年12月上旬 法人所属の人たちが修了考査休みを取りはじめる
  • X1年12月中旬 修了考査本番
  • X2年4月上旬 修了考査合格発表
例年、予備校の修了考査講座は前の年の10月くらいから開講されます。J3は前期で補習所のカリキュラムがほとんど終わるので、そのあとから対策する人が多いようです。お盆明けくらいからの人が多いみたいです。
9月から答練が始まり、11月には答練が終わります。各科目3~4回答練がありました。職業倫理は1回だけで、監査の4回目の代わりに職業倫理が1回ある感じです(監査は3回)。

試験本番は12月中旬頃に2日間で行われます。1日目は会計(3時間)、監査(3時間)で2日目は税務(3時間)、経営(2時間)、職業倫理(1時間)です。

それぞれの科目の感想

会計実務

計算は会計士試験の範囲をやれば足りそうな感じです。連結や企業結合・事業分離が大問で毎年出る傾向にあるので重点的に対策した方がいいかと思います。IFRSと絡めやすいので包括利益も重要。会計士試験ではあまり見ないけどEPSも出やすいようです。
リース、退職給付、減損、資産除去債務などの個別論点もかいつまんで出題されるようです。このへんの論点は会計士試験で死ぬほどやっていたおかげで体が覚えていたのでそれほど対策しなくても思い出せました。ちょっと自信がないところも会計士試験の時のテキストをチェックして思い出すことができました。
連結はスピードも重要になってくるので、会計士試験の時のがっつり連結の総合問題を解く感覚を取り戻す必要がありました。特に企業結合・事業分離はパターンを思い出すのに苦労しました。これは会計士試験の時の答練を使って何度か対策しました。
理論はIFRSに絡めてよく出題されるので日本基準との違いをよく理解する必要があるかと思います。
税務実務にも共通してますが、計算問題については論文試験の時よりもミスリードを誘ってひっかけるような意地悪な問題はほとんどなかったという印象です。連結は期中取得みたいな問題はよく目にしましたが覚えていれば解ける問題です。実務ではよくあるパターンということで、出題しているのかもしれません。
企業結合・事業分離で対価が金銭+株みたいな複雑なものは修了考査では過去問とかでも見なかったです。

監査実務

量が多いのが印象的でした。体感で論文の3倍以上書かされる印象でした。内容はより実務寄りでした。
論文試験では法令基準集が使えましたが、修了考査では使えません。もし使えたとしても書かなければいけない量が多すぎるのでいちいち調べてたら時間が足りなくなると思います。正確性は重要だけど、勢いで実務に照らしながらどんどん埋めて行った方がいいんじゃないかと思います。そのときに監基法に書かれている言い回しを思い出しながら書いていけば高得点が狙えるんじゃないでしょうか。
短答の時のような細かい知識まではあまり求められない感じでした。

税務実務

論文の租税法の知識は最低限必要になります。法人税は配当金、減価償却、寄附金、租税公課、交際費などの典型論点は健在です。予備校の答練をやってれば十分かと思いますが、論文租税法の答練の総合問題でも対策することができると思います。
連結納税、組織再編税制、国際税制なども出題範囲に含まれているので対策が必要です。このへんは論文よりも深い理解が求められます。
私は論文では連結納税・組織再編納税のあたりの論点を捨てたのでかなり苦労しました。修了考査ではこのあたりの論点を捨てるのはかなりリスキーに感じました。
修了考査の法人税の総合問題はほぼ毎回申告書を書かせるような出題形式になってました。論文租税法では書かないけど、加算減算に留保と社外流出を必ず書かせられました。
仮計までは問題用紙に与えられて、そのあとの確定納付税額の計算をやらせるのは毎回のように出題されてます。なので寄附金を合わせられないと大怪我するので絶対に捨てられない論点になります。出題側も難易度は調整してくれてて、きわどい判定が求められるような寄附金はほとんどなかったかと思います。典型的なのを覚えていればすんなり解けるかと思います。
中小法人もよく出てきます。税率とか交際費とかに影響します。

消費税も総合問題が毎回出題されるようです。出題形式は論文租税法の総合問題とあまり変わらないので論文の答練が使えるけど、税率は注意です。あと、法人税と同様に申告書ベースの出題が出がちのようです。
所得税は修了考査にはあまり出ないようです。論文の方が難しく問題量が多いと思います。相続税(贈与税)と絡めて出てくることが多いようです。所得税は割り切って最低限のところは抑えておいて捨てる戦略をとる人も多いみたいです。

地方税も出ます。資本割や付加価値割を求めるのは暗記が必要です。J1の考査に出てくる範囲です。

財産評価は出たり出なかったり。考査①だと土地の評価が出がちですが、修了考査では出た実績は少ないようです。予備校のテキストでは触れられてもいなかったようです。土地よりも非公開株が出るみたいですが、頻度は少ないのでどうしてもというなら捨て論点になっても致し方ないかなといった感じ。

2020年の修了考査では国税徴収法にちょっと関連するような問題も出ました。
税法改正に絡めた問題も過去には出た実績があるようです。そういうのは総合問題ではなく個別の小問題とかで出がち。

税務実務に関しては、実務家でもなければわからないような突飛な問題も出るのでそのへんは捨て問として割り切る必要があるかと思います。
税務実務では論文試験の時のテキストや答練はある程度使えるけど税法改正は気を付ける必要があります。過去問についても同じことが言えます。
そのあたりは予備校のテキストや答練を使って知識を最新化しておくことをおすすめします。

経営実務

経営実務は管理会計の財務分析のところが出てくる感じです。私は経営学選択ではなかったけど経営学にしか出ないような範囲はほとんど出ていないんじゃないかと思います。予備校の答練や過去問をやっておけばよいかと思います。企業価値評価もたまに出るみたいです。
ガバナンスの話もたまに出るので、企業法の機関設計とかも軽く触れておくのがよいかと思います。
ITはしっかり対策する必要があるかと思います。
IT委員会実務指針6号のあたりが毎回よく出るのですが、2020年は出なかったりと対策が難しいです。とはいえ、IT6号は重要なので概括的理解、把握するIT基盤、IT統制環境、全般統制あたりの暗記要素は対策しておく必要があると思います。
ITに関するトレンドとかも把握しておく必要があると思います。

職業倫理

倫理規則まわりから出ます。論文のときの監査論のテキストの倫理規則や公認会計士法あたりが使えます。予備校のテキストでちょうどここの部分を別冊になっていたのですが、論文合格後に捨ててしまったので後悔しました。
職業倫理対策でもっとも使える教材は倫理規則の原本だと思います。印刷して持ち歩いてました。
基本原則と阻害要因の暗記から始まって、どういうときにどの基本原則にどういう阻害要因があるのかというパターンの暗記をして対策しました。

試験本番

会計、監査、税務は3時間ありますが、問題のボリュームも多いので時間が余るということはないんじゃないかと思います。特に監査はずっと書きっぱなしでしたがそれでもなんとかギリギリに解答欄を埋めることができました。

公認会計士試験の教材について

公認会計士試験の時に使っていた教材は次のものを残しておいた方がいいと思います。
  • 監査論のテキストと論文で使っていた回転教材
  • 監査論の法令基準集
  • 租税法のテキストと回転教材
  • 租税法の答練
  • 財務会計論の計算テキストと理論テキスト
  • 財務会計論の連結、企業結合・事業分離まわりの答練
私は監査論のポケコンを回転教材にしていたのですが、論文が終わってから捨ててしまったので監査実務の勉強しているときに捨てたのを後悔しました。
租税法は法人税、所得税、消費税は税法改正をアップデートする必要はあるけど、だいたいそのまま使えるので受験生時代に使っていた教材は残しておくことをおすすめします。
租税法のポケコンがサイズや網羅性も優れていたので受験生時代に書き込みしたりしてがっつり使っていたのですが、これも捨ててしまったことを後悔しました。

勉強方法について

予備校は5月か6月くらいに申し込んだけど、私は短縮で考査対策や課題研究の提出があったので、申し込んだ後もしばらくは修了考査には手を付けられませんでした。8月のお盆明けから予備校の映像講義を受けるなどの対策しましたが、修了考査の講義はぜんぶは見ていません。
会計実務、監査実務、法人税の概論の講義はまったく見ませんでした。会計実務の計算の問題集とかもあったけど、この問題集は使わなかったです。
見たのは会計実務のIFRSと、法人税の連結納税、企業結合・事業分離、国際税制、相続税、地方税などの論文ではあまり出ない論点のところを重点的に視聴して対策しました。それと税率が変わったので消費税も見ました。経営実務(IT含む)もしっかり見ました。時期的には答練解きながら見てたと思います。
答練の解説もちゃんと視聴しましたが、答練の終盤になってくると解説がなくなります。
答練が始まる9月までに論文では手薄な論点(IFRSとか税務の論点)を補強しておいて、答練に備えるというのがよいかと思います。

私は短縮ということで、2019年受験が記憶に新しいこともあり、比較的短期で論文の時の状態を取り戻すことができたと思っています。
論文のキャッチアップと新たな論点のインプットを9月までに終わらせることができれば余裕をもって修了考査に臨むことができると思います。

9月に入り答練期になったら、可能な限り毎日欠かさず勉強するようにしてました。平日は2、3時間くらいで土日はそれよりもちょっと多いくらいです。多くても5時間くらいだったかと。論文の時よりも少ないです。
答練は1週間に2回のペースであるのですが、答練は遅れないように1週間以内に受けるようにしていました。そもそも会計・監査・税務は1つ3時間の試験なので答練受けるだけで3時間かかってしまいます。答練受けた日はへとへとなので、家に帰ったら解説映像を見ながらポイント抑えるくらいにしてました。次の日から答練の復習ですが、復習その倍は時間がかかるので、2日に分けて1回分の答練を復習する感じでやってました。土日は2日分のタスクをこなす感じでした。ペースが崩れたら土日を使って取り戻す感じです。
会計の復習はけっこうあっさり終わるけど、監査や税務の復習は時間かけてました。特に税務の復習は2日で終わらなかったりするので、土日で調整したり会計などのほかの科目の復習を早く終わらせて対応するなどしてたと思います。復習もため込まないようにしてました。次の答練がはじまるときまでには終わらせることを目標にしてましたが、実際は土日を使って1週間のスパンでため込まないように調整する感じでした。

11月に入ると答練が終わるので、答練の解きなおししたり過去問をやりはじめます。私は3年分の過去問やりました。税務実務は税制改正も頻繁にあるので過去問が使えなくなっているものもあったのでこれは答練ベースで対策した方がよさそうです。
過去問の解答は公認会計士協会では公表されていませんが、予備校の方で模範解答作っているのでこれを参考にするといいです。

こんな感じで会計・監査・税務は答練で対策して、経営(IT)は答練を基礎にITは6号も読む感じ。職業倫理は答練が1回しかないので、答練と過去問はほどほどにやって倫理規則を暗記する作業をやってました。

短縮の場合は7月に税務考査があるので考査対策の勢いでそのまま勉強のペースを作りやすいんじゃないかと思います。会計や税務の計算もまだ記憶に新しいかと思うので、感覚を取り戻すのも早いかと思います。特に私の場合は税務が追試になって9月の追試に向けてかなり対策しました。追試は褒められたことではないけど、ここでいい点数とらないと修了考査受けられないという危機感からかなりがっつり取り組んだのでよかったのかもしれません。
2年短縮でもJ2の税務考査を受けた勢いでペースが作れると思います。

勉強する環境

どこで勉強するかについてですが、私は講義は自宅、答練は予備校の自習室、答練の復習するときは平日の夜はカフェで、土日はカフェか予備校の自習室でやってました。
勉強する場所についてはみなさんいろいろ工夫されているようでした。
自宅だと勉強できないという人も多かったのですが、予備校の自習室で勉強していた人のほかに、有料の自習室を一時的に借りて勉強していた人も多く見かけました。月数千円から1万円をちょっと超えるくらいのものが一般的のようです。
有料の自習室を借りるなら、答練が始まる9月くらいから借りるのがよいかと思います。そのまま12月まで3か月くらい借りる感じになるかと思います。
最近はリモートワーク用のスペース貸しするところも多いので選択肢が増えているかと思います。
私も有料の自習室を検討したのですが、借りようかなと思った頃にはもう11月に入っていたので、新たに調べて契約するよりは今の環境でがんばることに決めました。契約するつもりがあるなら早めに手続するのをおすすめします。

2021年2月20日土曜日

実務補習所短縮申請について

補習所短縮申請について、ツイッターでアドバイスいただいたり金融庁、財務局に問い合わせた内容をまとめました。

補習所短縮とは?

手順を書く前に短縮申請の背景を書いておきます。ちょっと長くなりますが、手続きを理解するうえで参考になるかと。

公認会計士論文式試験を合格しただけでは公認会計士になることはできません。
公認会計士として登録するには、以下の3要件をすべて満たす必要があります(公認会計士法第3条、第17条、第18条)。
  1. 公認会計士試験に合格した者(免除された者を含む)であること
  2. 実務経験(業務補助等)の期間が2年以上ある者であること
  3. 実務補習を修了し、内閣総理大臣の確認を受けた者であること
3が今回の補習所の話になります。

補習所は通常は3年間通うことになります。3年間のカリキュラムをこなして単位を取り終わると修了考査を受けることができ、それに合格すると3の要件が達成されます。
補習所ではそれぞれの学年で受けることができるカリキュラムは決まっていて、通常1年目のJ1ではJ1の講義しか受けることができません。
ほとんどの合格者は実務未経験になると思うので、補習所に3年間通いながら2の実務経験をクリアしていくのですが、補習所に入所した時点で上記の2の要件を満たしていればカリキュラムを圧縮して1年で3年分(3→1短縮)、または2年目に残りの2年分(3→2短縮)のカリキュラムを圧縮して受講することができます。

最終的に短縮が認められるには2の要件を満たしたこと(金融庁の受理番号の発行)を会計教育研修機構(実務補習所)が確認する必要があります。

例年であれば11月に合格発表があり、12月から補習所が始まるけど、2の書類の作成と審査には2~3か月くらいかかるので金融庁への2の手続きが進んでいることを確認して見切りで短縮が仮承認されます。仮承認のままJ2やJ3のカリキュラムをこなしていっているうちに、2の申請が受理された書面が届くので、これのコピーを補習所に提出して手続きが完了します。

以上のように、短縮が認められるためには金融庁に提出する資料の受理が前提になっている関係で手続きがちょっと複雑です。
金融庁に提出する資料と実務補習所に提出する資料がそれぞれ様式が異なっていて別々に提出することになります。
基本的に同時並行で準備を進めることになりますが、金融庁に提出する資料が重たいのでなるべく早めに着手するとよいです。

金融庁への書類の提出

金融庁のHPに手続きが書いてあります。
最終的には以下の書類を提出することになります。
  1. 業務補助等報告書
  2. 業務補助等証明書
  3. 従事していた法人等がわかる資料
  4. 直接担当していたことが確認できる資料
  5. 返信用封筒
  6. その他
1と2は本文は同じものです。
内容のすり合わせがあるので、最初はドラフト版を書いて財務局に提出します。ドラフト版は財務局のご担当者がレビューをしてくれるのでこれを反映して再提出というのを2,3回くらい繰り返して最終版を作ります。これの作成がかなり重たいです。
1は書いてそのまま印刷して送ればいいですが、2は従事していた法人等に押印してもらう必要があります。ここの押印は会社の代表印(社長印)が必要です。事業部印とかではダメです。ドラフト版は押印なしでよいので最終版が確定してから押印もらいましょう。
資本金5億円以上の会社ともなると内規で分掌が進んでるから社長印もらうのはけっこう大変だと思います。
3は所属している(いた)会社のホームページなどから会社概要や組織図で自分が所属していた部署などがわかる資料を提出します。
4は具体的に自分が作った資料などを添付しますが、情報管理の点などから提出できないなどの場合は提出が免除されます。自分の場合はすでに退職していた会社だったのでそういう事情もあって提出免除されました。
6については、勤務形態が非常勤などの場合に労働時間が確認できる書類の提出が必要になったりするようです。
これ以外にも提出を求められる場合もあるかもしれないので、詳しくはドラフト版提出時に財務局のご担当者とやり取りするときに聞くのがよいかと思います。

金融庁が審査する書類ですが、提出は財務局になります。たぶん提出は通年受け付けていると思います。こちらのPDFから送付先を確認できます。電話番号も書いてあるので、早めに連絡してドラフト版の提出方法などをすり合わせておいた方がよいかと思います。
最終版を提出後、1か月くらいで「業務補助等報告書の受理について」という受理番号が書かれた書類が届きます。この書類は公認会計士登録時に使うそうなので大事に取っておきます。
これのコピーを補習所に提出することで最終的に短縮が認められることになります。

実務補習所に提出する資料

会計教育研修機構(JFAEL)に手続きが書いてありますが。
  1. 修業年限短縮申請書(第2号様式)
  2. 業務補助等の概要(第3号様式)
  3. 勤務証明書又は在職証明書
  4. 金融庁に提出する「業務補助等報告書」と「業務補助等証明書」のコピー(ドラフト版でよい)
1と2については様式があるのでそれに書けばよいです。
3は自由様式なので、自分で作る必要があります。3にも所属している(いた)会社に押印してもらう必要がありますが、こちらは代表印(社長印)じゃなくてもOKです。事業部長印とかでも受理してもらえます。
4は前述の資料のコピーです。ドラフト版で大丈夫です。
先に金融庁の審査が終わってて受理番号が取れていれば3と4は必要ないような気がします。そういう人は補習所に聞いてみてください。
提出先は会計教育研修機構で、こちらは申請期間が決まっていて、毎年12月1日~1月15日までです。期間が短いので要注意です。

最後に

金融庁(財務局)も補習所もそれぞれ自分のところで受理する資料以外のことは基本的には教えてくれないと思った方がよいです。(補習所のほうが多少柔軟に教えてくれます)
例年では合格発表から補習所の講義が始まるまでが短いので、短縮申請を急ぐ必要がありましたが、2020年は試験が延期になった影響で3→1短縮ができなくなっているので次の12月で3→2短縮申請するためにゆっくり準備を進められると思います。まずは金融庁に提出する資料の準備を進めるのがよいかと思います。

3→1短縮できないのは残念ですが、今回のスケジュール感で3→1短縮した場合はカリキュラムの消化が相当厳しかったんじゃないかと思います。3→1短縮の講義スケジュールはかなりギュウギュウに詰め込まれているので、スタートが3月にずれ込んだら1年で3年分のカリキュラムの消化するのは絶望的だったんじゃないかと思います。
むしろ3→2短縮になったことで、1年目のJ1では全体の7割に相当する大量のカリキュラム消化に専念できますし、2年目で残りのJ2,J3のカリキュラムをゆっくり消化しながら修了考査対策も余裕をもってできるかと思います。特に2年目は税務考査(法人税)があるので、税務考査の勢いで修了考査の税務実務の学習を進められるのは大きなメリットになると思います。通常はJ2で税務考査を受けた後、1年空いてJ3の税務実務の学習を再開することになります。

2021年実務補習規定の改訂

2021年7月に実務補習の規定が改訂されたのでポイントの紹介です。 主な変更点は講義や単位の取り方の変更なので、課題研究や考査への影響はなさそうです。 2021年入所から適用されるので、 2020年期までに入所している人には適用されません 。 ライブ講義・eラーニングの区別がなく...